よくあるご質問

当事務所に寄せられる、よくあるご質問をまとめました。
ご相談、ご依頼の参考にしてください。

物損

  • Q. 車を駐車中に、脇見運転していた車にぶつけられてしまいました。物損として、どのような請求ができるのでしょうか。
    A. 自動車に発生した損傷については、原状回復として必要かつ相当な範囲内での修理費用相当額が損害として認められます。例外として、修理費用相当額が被害自動車の車両時価に買替諸費用を加算した金額を超過する場合には、車両時価に買替諸費用を加算した金額が損害として認められ、この金額を超過する分は損害として認められません。
  • Q. 交通事故に遭いましたが、幸い怪我はせず、乗っていた車が損傷しただけで済みました。もっとも、事故に遭って、とても怖い思いをしましたし、車の修理のために保険会社との折衝や警察への届け出など、嫌な思いを沢山しましたので慰謝料を請求したいと思います。認められますか。
    A. 物損については、慰謝料は発生しないことが原則となっており、今回は認められる可能性は低いと思います。これは、損害賠償の原則は原状回復であり、物損の場合には修理を行ったり、代替の物を購入する事などにより、原状回復がなされると考えられていることが理由となります。ただし、例外的に、死の恐怖を味わったり、損傷を受けた物が特別な思い入れのある物や高価品であった場合など、慰謝料を認めるような特別の事情がある場合には、慰謝料が認められたケースもあります。
  • Q. 自動車を修理しようと見積もりを出してもらいましたが、保険会社からはドアの交換は認められず、塗装のみの費用しか出さないと言われました。一部分だけの塗装では、全体の中で浮いてしまいますので、全部を塗装したいと思うのですが、それは認められないのですか。
    A. 一般的には、費用の低額な板金加工の方法によって足りるのであれば、部品交換までの必要性は認められず、板金加工の方法による修理しか認められないことになります。塗装も、部分塗装の方が全塗装よりも低額ですので、部分塗装の費用のみが損害賠償金として認められることになります。

    ご指摘のように、事故で塗装した部分だけが、全体の中で違和感を与える可能性もありますが、原状回復では部分塗装で足りると言われており、全塗装の費用を請求することは一般的には困難です。

    もっとも、裁判例の中には、バッテリー液がどの範囲に飛散したか不明なほど広範囲に飛散した場合に、車体の保護等のために、全塗装を行ったことには合理性があると判断したものがあります。

  • Q. 車を改造していた場合の修理費用や車両価格(時価額)は、損害賠償として請求できますか。
    A. 改造に関する修理費用については、改造に関する修理費用も相当因果関係のある損害と認めた上で、修理費用の全額ではなく一部のみを損害と認めている裁判例が多数となっています。

    また、経済的全損の場合の車両価格については、原則としてベース車の車両価格にその改造費用を含めて算定の基準とすべきとされますが、その改造が、①道路運送車両法の定める保安基準に反するなど法に抵触するような場合や、②車の効用を高めるものではなく、かえって車の効用を低下させる場合等、その改造車の経済価値を増加させない場合には、例外的にベース車の車両価格のみを基準とし、場合によってはベース車の価格を減額すべきと考えられています。

  • Q. 車を買って3日しか経っていない間に、事故に遭ってしまいました。せっかくの新車ですので、新車への買替を請求したいのですが、請求できますか。
    A.
  • Q. 車が事故で大破し、修理不能と言われました。この場合、どのような賠償を請求できますか。
    A. 物理的に修理が不能な場合には、車両の時価額にて賠償請求することになります。

    車両の時価額は、同一の車種・年式・型、同程度の使用状態・走行距離等の自動車の中古車市場において取得するために要する価格をいい、いわゆるレッドブックといわれるオートガイド社発行の「自動車価格月報」やイエローブック、シルバーブックと言われる(財)日本自動車査定協会発行の「中古車価格ガイドブック」、全国技術アジャスター協会発行の「建設車両・特装車両標準価格表」などを参考に算定されています。また、インターネットでの中古車価格情報も参考資料とされることも多いです。

  • Q. 事故に遭ってしまった車両を買い替えるとき、購入に必要な諸費用はどの程度、損害賠償請求することができますか。
    A. 物損による損害賠償請求としての主な費目は、修理費、買替差額、評価損、代車使用料、休車損、登録手続関係費、営業損害等が挙げられます。

    その内の諸費用としては、自動車取得税、検査・登録費用、車庫証明費用、検査・登録手続代行費用、車庫証明手続代行費用、納車費用、廃車手数料は認められることが多く、請求できると考えられます。

    自動車税や自賠責保険料は、解約によって返還を受けることができるため、原則として損害とは認められていません。

  • Q. 事故現場から引揚業者に移動させた後に、さらに引揚業者から修理業者に移動され、同業者によって保管されていました。この場合の牽引・引揚費用を加害者に請求することはできますか。
    A. 牽引料とは、走行不能になった自動車をレッカー等によって移動するために要する費用をいいます。引揚費用とは、転落や横転した自動車をクレーン等で引揚て正常な位置・状態に戻すための費用をいいます。

    牽引料、引揚料は、事故車両をそのままにすることは許されませんので、事故と相当因果関係のある損害として、必要性、相当性が認められる限り、加害者に対して請求することができます。

    必要性、相当性については、移動の距離や作業時間、牽引料又は引揚料の算定の基礎となっている価格等を考慮した上で決められます。

  • Q. 事故に遭って車を買い替えることになりましたが、車を修理に出している間、代車を借りることにしました。この代車費用を請求することはできますか。
    A. 代車費用も、修理や買替えに必要な合理的な期間であれば、損害賠償金として加害者に請求することができます。

    まず修理については、工場に被害自動車を入庫し、保険会社から調査を委嘱されたアジャスターと修理工場が協定をし、実際の修理がなされることとなります。一般的には2週間程度で修理は完了しますが、部品の取り寄せに時間を要する場合には、代車が認められる期間もその分長くなります。

    次に、買替えについては、代車が認められる期間は、一般的には1カ月程度と言われることが多いようです。

  • Q. 代車を利用するときに、代車の車種の指定はできますか。
    A. 代車の車種については、基本的には事故に遭った車と同等クラスの車種までであれば、指定をして認められることが多いようです。もっとも、事故に遭った自動車が高級外車等の特殊な車の場合、必ずしも同等クラスの車種を指定することができないことが多いようです。
  • Q. 営業用車両が事故で利用できなくなった場合に、利用できなくなった期間の売り上げや利益を損害賠償として請求することはできないのでしょうか。
    A. 営業用車両が稼働していたならば得られたであろう利益を休車損害といいます。
        休車損害も、事故と相当因果関係が認められる限り、損害として認められます。特に緑ナンバーや黒ナンバーなどの営業用車両は国土交通省から許可を得て操業していますので、使用不能となったからといって無許可の車で代替する事ができませんので、営業用車両を利用して利益をあげる事ができなくなります。

    休車損害の具体的な金額については、①被害車両が利用不可能となっていた期間に、②売上から固定経費を控除した金額、を掛け算して算定することが多いです。

    ただし、遊休車や予備車を使用不能な車両の代わりに操業に回せるとすれば休車損害は発生しない事になりますので、休車損害の損害賠償請求を行うことはできません。

  • Q. 乗っている車を下取りにして、新しい車を買おうと考えておりましたが、事故に遭ったため、下取りに出せなくなりました。私の車の事実上の市場価格が下がってしまったのですが、この下落分を損害賠償請求できないのでしょうか。
    A. 事故に遭ったことにより車両の市場での価値が下落することを、一般に評価損といいます。この評価損が認められるかは、車種、走行距離、登録年数、損傷の部位・程度、修理の程度、当時の車両時価等から総合的に判断されることになります。裁判例の傾向としては、外国車又は国産人気車種で5年以上(走行距離6万キロメートル程度)、国産車で3年以上(走行距離4万キロメートル程度)の場合には、評価損は認められにくいとされています。

    評価損が認められる場合の金額については、修理費用の1割から3割程度であることが多いように見受けられます。一般財団法人日本自動車査定協会の査定書を証拠提出して争うことも多いのですが、なかなかそのままの金額を認定されることは難しいように思われます。

  • Q. 自動車がクラシックカーなどのように、市場価格にプレミアがついている場合、このようなプレミア分も含めて損害賠償請求が認められますか。
    A. 中古市場に存在しない自動車が事故に遭った場合の損害額については、まず第一に希少性による客観的・経済的価値の存在を裏付ける証拠(類似のクラシックカーの価格が記載されている雑誌等)を提出した上で、その希少性による客観的・経済的価値の存在の立証を行うことが必要不可欠です。この立証が極めて困難であるため、認められない場合が多いと思われます。

    裁判例においては、マニアの間で高い評価を受けていることが認められても、一般的にはそれほど高いものとは認められないとして、「マニアらの評価は主観的な価値をも多分に反映した価格と思われ、本件事故当時の被害自動車の時価額の認定にこれを直ちに採用することはできない」等として、修理担当者らの評価等からの時価額が算定されることが多いように見受けられます。

  • Q. バイクを乗車中に交通事故に遭い、バイクのみならず、着衣や装飾品(腕時計等)も損傷してしまいました。着衣や装飾品も損害賠償請求できますか。できるとした場合、どの程度の費用を請求できますか。
    A. 交通事故によって着衣や装飾品に損傷が生じた場合、所有者は必要かつ相当な修理費(着衣の汚損の場合はクリーニング代)を請求することができます。

    修理が不可能となった場合には、車両の損傷の場合と同じく、所有者のその物の事故当時の価格の賠償を請求することができます。その場合の金額は、購入金額や購入時期をもとに、課税もしくは企業会計上の減価償却の方法である定額法や定率法によって算定することが多いように見受けられます。

  • Q. ゴルフに行く途中に後方より追突される交通事故に遭ってしまい、ゴルフ道具一式にも被害が出ています。このように、積荷についても、加害者に損害賠償請求できますか。
    A. 交通事故による被害者は、車両や人身の損害の他に、積荷の損傷による損害についても原則として賠償請求することができます。

    ただし、損害賠償の規定では、「特別の事情によって生じた損害」については、当事者が「その事情を予見し、又は予見することができたとき」に限り、その賠償を請求することができると規定されています。

    そのため、たとえば、一般の普通乗用車に時価額数億円のような美術品や宝石品が積載されていた場合などは、例外的に「特別損害」として予見不可能であったとして、賠償請求ができないことがあるものと思われます。今回のようなゴルフ道具は、十分に予見可能と言えますので、加害者に損傷したゴルフ道具一式の費用についても損害賠償請求できることが多いと思われます。

  • Q. 乗っていた自動車が、リース会社からリースを受けていた場合、物損の請求は乗っていた私がすることができるのでしょうか。
    A. 自動車をリースしている場合、リース車両の所有者はリース会社になりますので、損害賠償の請求も所有者であるリース会社が行うことになります。全損の場合の車両時価については、リース会社が損害賠償請求します。

    もっとも、部分的な損害に留まる場合には、所有者ではないユーザー・購入者も修理費用を請求することができると理解されています。そのため、ユーザーが自分が支出したか、もしくは支出を予定している修理費用を加害者に請求することができます。